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デイモンシステム

デイモンシステムの特徴

Q. デイモンシステムの特徴について教えてください
A. デイモンシステムは、口腔周囲筋、骨、およびその他の軟組織の力の平衡化から始め、歯をどの位置に配置できるか、または配置すべきかを決定します。移動に対する抵抗力を減らすことにより、不要な力が著しく抑えられます。
デイモン先生は「スライディングに対する抵抗が低いため、この弱い力がどのように発揮されるのかが重要です。」とご説明されています。
デイモンブラケットはパッシブセルフライゲーション機構を採用しており、ローフリクション、ローフォースを実現し、バインディングやフリクションを減少します。
Q. バイオゾーンとはどのような意味でしょうか?
A. デイモン先生は、歯根膜の血管を完全に閉鎖することなく、細胞活性を刺激するために足りる強さの力のレベルのことをバイオゾーンと表現しています。矯正力を与えるに際し、歯の移動の可能性を最大にするために、血管や酸素の供給を阻害することなく、かつ細胞活性を刺激するために十分な力を使用しなければならないとのお考えです。
Q. パッシブセルフライゲーションでのトルクは何処から発生しますか?(どの様に発生するか)
A. スロット内でワイヤーのエッジが2点接触することにより、トルクが発生します。最終のアーチワイヤーでは.019×.025のステンレスワイヤーもしくはTMAを装着します。その時の遊びは11.5°です。

ブラケット

Q. デイモンブラケット各種類のスロットサイズを教えてください。
A. デイモンブラケットは基本的に.022×.028ですが、デイモンQの下顎前歯ブラケットと全てデイモンQ2ブラケットは.022×.0275です。
Q. ロートルクの使用方法について教えてください
A. 叢生や狭窄した歯列弓(アングルの分類によらず)を伴う非抜歯症例は、前方に傾斜(フレアリング)する傾向があります。そのような場合にはロートルクを選択することをお勧め致します。またⅢ級症例にも使用する場合もあります。
Q. ハイトルクの使用方法について教えてください
A. 一般的なスペース確保と抜歯を用いる症例や遠心移動が生じる症例には、過剰に遠心へ傾斜(ダンピング)する傾向がありますので、ハイトルクを選択することをお勧め致します。

ボンディング

Q. ボンディング材は何がお勧めですか?
A. 光重合レジンをお勧めします。弊社の製品ではブルーグルーとオーソソロがお勧めです。メタルブラケット、大臼歯部にはグリーングルーとオーソソロをお勧めします。
Q. デイモンクリアにスーパ-ボンドを使用する際の注意点はありますか?
A. ス-パ-ボンドなど4-MEAT系は、特有の粘りのある性質がセラミックブラケットをディボンディングする際にエナメル質を傷つける可能性があります。詳細についてはス-パ-ボンド販売元のサンメディカル(株)にお問い合わせください。
Q. リムーバブルポジショニングゲージについて
A. デイモンクリア、デイモンクリア2、デイモンQのみについており、デイモンQ2にはついていません。ポジショニングゲージの色は、スタンダードトルクは青、ロートルクは緑、ハイトルクは赤となっています。
Q. リムーバブルポジショニングゲージのノッチについて
A. デイモンクリア、デイモンクリア2ではブラケットから一番近いノッチが3mmです。それ以降1mm間隔でノッチがついています。また、デイモンQでは上顎はデイモンクリアと同様にブラケットから一番近いノッチが3mmです。それ以降1mm間隔でノッチがついています。下顎は一番近いノッチが2mmです。それ以降1mm間隔でノッチがついています。

アーチワイヤー

Q. ワイヤーのステップ
A. イニシャル相(ラウンドワイヤー)、ワーキング相(ナイタイワイズワイヤー)、フィニッシング相(フィニッシングワイヤー)の3相があります。イニシャル相(ラウンドワイヤー)はレベリング、アライニングの達成、ローテーションコントロールの開始、アーチ形成の開始です。ワーキング相(ナイタイエッジワイズワイヤー)ではレベリングとアライニング、ローテーションコントロールの完了、トルクコントロール、空隙閉鎖の開始、アーチ形成の継続が目的です。最後にフィニッシング相(フィニッシングワイヤー)でトルクコントロール、空隙閉鎖の完了、最終的なディテーリング、唇舌的位置の修正、患者個々のアーチフォームの形成となります。
Q. 専用ワイヤーについているクリンパブル ストップはどのように使用しますか?
A. 上顎アーチの場合、正中もしくは叢生の近心にアーチワイヤーストップを移動します。最も多い位置は中切歯の両側です。装着する際には、歯が適切に整列できる十分なスペースを左右側に残しておいてください。下顎アーチの場合には、ブラケット間距離があまりありませんので、前歯の間にストップを1つかしめてください。
Q. アンテリアトルクナイタイワイヤー
A. アンテリアトルクナイタイワイヤーは側切歯間に20°のトルクが予め組み込まれています。このアーチワイヤーは重篤な II 級2類症例に特に効果的です。
.014×.025カッパーナイタイの次のワイヤーとして使用します。Ⅱ級2類症例で前歯部トルクが必要な場合に使用、圧下のみ必要な場合にはリバースカーブタイプをご使用ください。ワイヤーサイズは.016×.025、.017×.025、.019×.025がございます。症例によって3種類のワイヤーサイズからお選びください。
Q. ポステッドアーチワイヤー
A. フィニッシングの段階で使用されるアーチワイヤーです。犬歯の近心から反対側の犬歯の近心までの距離を図り、24-40mmのサイズの中から最適なサイズを選択します。※クリンパブルフックを選択される先生もいらっしゃいます。ポスト(フック)はコイル スプリングを使用した空隙閉鎖、タイバック モジュールを使用する空隙閉鎖後の維持、顎間エラスティックに使用します。
Q. 最終アーチワイヤー(患者固有のアーチフォーム)
A. 019 x .025 ステンレススチールワイヤーもしくはTMAワイヤーを用います。最終のアーチワイヤーは、患者固有のアーチフォームとなり、骨と軟組織の調和のもとで口腔周囲筋と舌によって決定されます。イニシャル相とワーキング相を通じて、最終の歯列弓形態は筋肉のバランスによって決められ、ファイナル相(抜歯症例ではファイナル相の一段階前)に移行する際、下顎のアーチフォームは最初の2相で形成された歯列弓形態を写し取り、それをステンレスワイヤーもしくはTMAワイヤーにコピーして作製します。上顎のアーチフォームは、下顎のアーチフォームの2㎜外周を走るように作製してください。
Q. 最終アーチフォーム作製手順
A.
①半分程度にカットしたパラフィンワックスをお湯に浸して軟化させます。
②軟化したパラフィンワックスを、ワーキング相終了時の下顎歯列弓の 咬合面上に置き、患者に軽く咬んでもらい、ブラケット・チューブに軽く圧接します。
③パラフィンワックスを口腔外に取り出し、ブラケット・チューブの印記された部位を残すように大きめにカットします。
④カットしたパラフィンワックスを再度お湯に浸して軟化させ、口腔内に 戻してしっかり圧接させ、ブラケット及びチューブを確実に印記しまう。
⑤パラフィンワックスを口腔外に取り出し、個々のブラケットスロット、バッカルチューブの唇舌的位置をマーカーで描記後、連結して患者固有のアーチフォームの描画を完成させます。
⑥完成した患者固有のアーチフォーム描画上で、下顎用.016×.025 SSワイヤーあるいは.017×.025TMAワイヤーを賦形して、患者固有のアーチフォームを完成させます。
⑦上顎用のアーチフォームは、完成した下顎用のアーチフォームよりも2㎜外周を走るように賦形します。

アンカレッジとスペースクローズ

Q. デイモンシステムのでアンカレッジの考え方を教えて下さい
A. 前歯の顔貌に対する位置によって、アンカレッジの強さを判断します。
①マキシマムアンカレッジ:臼歯を固定し、前歯部のみ動かしたい場合。
②ミニマムアンカレッジ:前歯の位置が適切で、大臼歯を動かしたい場合。
③絶対固定:TADの使用。※空隙閉鎖には、クローズドコイルスプリングを任意にお使い下さい。
書籍「デイモンシステムによる矯正歯科治療(武内豊先生・野口梨磨著)の109ページから110ページに詳しく記載されております。またデイモンシステムについても詳しく記載されておりますので、是非ご購入ください(定価10,000円、税別)。
Q. スペースクローズ
A. フィニッシング相で前歯部の空隙の統合に引き続いて、6前歯は.008のステンレススチールリガチャーワイヤーを使用し、アーチワイヤーの下で連続結紮を行います。側切歯と犬歯の間にフックを付けたプリポステッド.019 x .025ステンレススチール アーチワイヤーを装着します。ミディアムのナイタイスプリング(9mmもしくは12mm)を第一大臼歯遠心に少し突き出したアーチワイヤーの端に掛け、スプリングのもう一方の端はアーチワイヤーのフックに結紮します。
Q. ナイタイ コイルスプリングはどのように使用しますか?
A. 空隙閉鎖用のクローズドナイタイコイルスプリングは両端に小さなアイレットが付けられており、片方のアイレットは第一大臼歯の遠心で切断された .019x.025 SSポステッド ワイヤーの端に掛けます。このアイレットはフリクションとバインディングを少なくするために90°に曲げてください。もう片方のアイレットは、アーチワイヤーの側切歯と犬歯の間にろう着されたフックあるいはクリンパブルフックに結紮線を用いて結んでください。抜歯症例では9mm(ミディアム)、非抜歯症例では12mm(ミディアム)を推奨しています。空隙拡大に使用するオープン ミディアムかライトのナイタイコイルスプリングを使用します。前方のブラケットの遠心と後方のブラケットもしくはチューブの近心との距離よりもブラケット約1個半長く切断して使用してください。コイルは前述の2つのブラケットの間に圧縮し、歯列弓の長さを増すように力を発揮させます。拡大距離が非常に長い場合には、チューブから抜けないようにアーチワイヤーを少し長くして頂くか(必要に応じてシンチバックを行う)、大臼歯チューブに長いチューブをカスタムで作成することもあります。
Q. タイバック モジュール
A. 空隙閉鎖を維持するためにデイモンシステムで使用する製品です。.019 x .025のアーチワイヤーのフックから延長して、同じ歯列弓の第一小臼歯ブラケットのタイウイング上部を通過し、第一大臼歯のフックへ掛けます。

ディボンディング

Q. ディボンディングプライヤ-はどの様に使うのですか?
A. プライヤ-のウェッジ(くさび形プッシュ)をブラケットの咬合面に配置し、両先端をブラケットの咬合-歯頚側タイウイングの窪みに配置します。プライヤ-を動かさずに、そのままの位置でハンドルを握りながら両先端をブラケット本体に近づけます。ウェッジをブラケットパッドの方向に押し進め、歯面に接触する事でブラケットパッドが歯からはがれます。
Q. リテイナーワイヤー
A. 上顎は.016 x .022 Bond-a-Braidワイヤー(リライアンス社)を屈曲し、ハーキュライトウルトラフロー(Kerr社)フロアブルレジンを使用して上顎4前歯の舌面にボンディングします。下顎は下顎6前歯の舌側面に適合した.026のラウンド ステンレススチール ワイヤーを光重合レジン(オームコ製品だとブルーグルーです)にてボンディングします。

その他

Q. スナップリンクチューブにウエルド用はありますか?
A. ございません。デイモンシステムの優位性を発揮するためにボンディング用のみとなっております。
Q. ウイングが小さくパワ-チェ-ンがかけにくいです。
A. ワイヤ-の下に通すまたはワイヤ-にクリンパブルフックを付けてください。
Q. 顎間ゴムはどの様に使用すれば良いでしょうか?
A. 書籍「デイモンシステムによる矯正歯科治療(武内豊先生・野口梨磨著)の100ページから103ページに詳しく図解されております。またデイモンシステムについても詳しく記載されておりますので、是非ご購入ください(定価10,000円、税別)。
Q. デイモンブラケット、チュ-ブなどは保険適用可能でしょうか?
A. デイモンブラケット、スナップリンク、チタンチュ-ブ、アクセントミニ全て保険適用商品として登録されています。